2020/04/26
牛モモ肉を100時間煮込んだらどうなる?減圧(真空)100時間の世界へ

あまり更新してないにも関わらず、新型コロナによる影響でブログのアクセスが上がって来る?
本来ならば取っ付き易いレシピ記事を充実させるべきなんだろうけど・・
最近の実験記事です。
あまりラーメンでは馴染みのない牛肉トッピングだが、やはり豚とは違う特性がある事が分かる。
前々回の真空調理の結果から牛肉は火を通すと豚肉よりも硬くなる傾向がある事は分かった。
https://yapparimengasuki.com/blog-entry-1452.html
そこで今回は最も厄介そうな?
牛モモブロック肉にターゲットに置いてみる。

ハッキリ言って普通は牛モモブロックは芯を絶妙な加減で仕上げるローストビーフのレシピが殆ど。
それも良いがそれを繰り返してるだけじゃ進化はしない。
いつもの如く65℃低温調理実験です。
最近は減圧(真空)調理も出来るようになったので比較してみます。
何をやるか?
相変わらず供試体の肉塊には何の調味料も施さず実験する。
①耐熱ポリ内で減圧状態にする牛モモブロック

525g
黒い容器は真空おひつと言う製品で容器内を減圧(真空)にすることが出来ます。
②耐熱ポリ内で普通に湯煎する牛モモブロック

505g

インスタントポットで65℃100時間調理。
今回は2段式にしてます。
特に意味はないが、他の料理などでは2段式は手間を省くことが出来るのでおすすめ。

インスタントポットのタイマーは99:30分が限界ですが十分です。
他の製品ではここまで長時間調理がボタン一つで出来るのは少ない・・ってかあるのか?
30分は普通に経過させてキリの良い100時間でやってみます。
注:インスタントポットって何?って方は申し訳ないですが↓ここから出直しです。
https://yapparimengasuki.com/blog-entry-1450.html
100時間後
①耐熱ポリ内で減圧(真空)状態にした牛モモブロック

529g→359gになりました。
67.86%質量が減りました。
減った分は水分として袋内に収まってます。
ドリップした肉汁は赤色で変色はしてないように思える。
やはり酸化が抑えられているのか?
②耐熱ポリ内で湯煎状態にした牛モモブロック

505g→341g
67.52%質量が減りました。
ドリップした肉汁はやや酸化しているのか?色が茶色っぽくなっています。
酸味を帯びている気もします?
つまりこの実験の結果。
減圧の方が質量は減る事が分かります。
浸透圧の関係からここまでは予想通り。よくよく考えてみると浸透圧って気圧や引力が関係してると思わないですか?
ちょっとここであれ?
ってなる理由があるのですがそれはこちらの実験経験からです。
https://yapparimengasuki.com/blog-entry-1451.html
要は豚肉を65℃60時間ポリ袋で湯煎した時と減り具合が大差ないのです。
これは牛と豚の違いなのか?
何言ってるかここでは分からないかもしれませんが、上記リンク記事の謎が解けたような気がします。
後で、過去記事内に追記修正します。
まだ結論は出ないので先へ進みます。
何となくですが、この後の冷やす工程でタンパク質は大きく変化することが経験的に分かっている。
なので・・
その後
①を耐熱ポリに戻し減圧させた状態で冷蔵庫で寝かせました。
②を耐熱ポリに戻し普通に冷蔵庫寝かせました。
そもそも実は自分の冷蔵庫の温度を把握していない。

温度ロガーである程度把握してみます。
6時間で2.6℃まで下がる事がとりあえず分かりました。
注;温度計は外から持ってきたので初期の冷蔵庫の温度が15℃な訳ではない。
これを見ると冷蔵庫の温度が下がるまでには多くの時間が必要な事が分かります。
一晩で2.6℃まで下がってますがドアを開閉すればまた上がってしまうのでいつになっても?
ってかどこまで下がるのかも分からない・・あくまで自分用メモです。
とりあえず上記ぐらいの温度で寝かせて測定
①減圧の方

359g→364gに1.4%質量が増えてます。
②湯煎の方

341g→342g
うーん・・これは誤差の範囲か?
でもプラスの可能性有り。
注:ちなみに冷えてゼラチン化した状態で測ると重くなるのが解るので、一旦ゼラチン質を温めて溶かして排除してから測定しています。
この結果を見ると
減圧(真空)の方が質量が増えているのが分かり、冷やす時の減圧の違いに差があるのが分かります。
減圧調理の可能性は冷やす時にあるのか?
次に
食べてみて官能評価です。
①の減圧(真空)の方

豚肉と比べると、やや繊維が強く水分が抜けているのでややモサる感じがある。
食感で言えば豚に軍配が上がると言いたい所だが、豚の時も部位がモモの時は似たような食感だった記憶。
https://yapparimengasuki.com/blog-entry-1449.html
②湯煎の方

包丁で切る時からやや違う。
肉の繊維がどんどんほぐれていくのだ。食感は①と同等かな?大きな差は感じない。
だが繊維のほぐれ具合が違うので厚みのある塊を食べているという食感は薄い。
牛モモブロックを65℃100時間低温調理を行った結果
・まずは食感
減圧(真空)も湯煎も大きな差はなかった。
牛と豚では牛の方が肉質(繊維)は強い。肉は火を通すほど硬くなる特性があるがそれを越えた位置にも新たな食感があるかも知れない?
現時点ではやはり牛ステーキ等の焼き加減はミディアムレア辺りが自分は好みだが、それは理に適っているのだろう。
但し、このまま引き下がるのもつまらない。まだ何かしらやります。
例えばローストーフなどは薄く切らない限り芯が噛み切れない食感はどうか?と思っている。
そうなるとローストビーフをを薄く切るために業務スライサーが必要になります。もしくは包丁だと半冷凍にしないといけません。面倒ですねぇ~
まあ、買えば解決するでしょうけど厚切りローストビーフってのもあってもいいんでない?←これは試さないと分からない。
それを低温調理で解決できるのではないか?
それは何時間で何度なのか?
・酸化具合
特にドリップした汁の酸化が気になる所。肉汁まで視野に入れてる場合は時間を少なくするか?
減圧(真空)を使った方が良い。
・冷やした時の戻り具合
これはソレー効果ですね。料理をする人は知っていると思います。
温度が下がる時に味が染み込みやすいのは経験的に捉えてる筈。
減圧(真空)の場合はそれだけでなくさらに温度変化により膨張した空気が戻り、さらに冷えて収縮しソレー効果が倍増されてる可能性がある。
これを狙って調理するとしたら減圧(真空)のメリットが活かせるかもしれません。
・上記の付加価値
水分の中にも若干空気が含まれのだろうか?
肉の繊維の中まで入り込み、酸化させ繊維のほぐれ具合にも影響があるのか?
まだ想像でしかありません。

一応ラーメンブログなのでそれっぽく。。
やっつけですが・・・もはや見た目とかどうでもよくなってきてます。モチベーションは10段階中、1しか残ってない。
最終まとめ
長時間調理の場合は減圧(真空)の方が酸化を抑えることが出来る。
ある一定の(既存の限界)を超える調理の場合、必要になるでしょう。
それが分かっただけでも一歩進んだのかなぁ?
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