ラーメン探究日記

63℃30分と同等な加熱条件の算出@低温調理エビデンスへの道①

2020/05/18
63℃30分根拠への実験記事 0
低温調理 真空低温調理 エビデンス 63℃30分 75℃1分 厚生労働省
現時点で相当な回数の低温調理を行ってきた訳ですが、とにかく色々怪しい事もしてきました。
初期の頃は温度計すら使ってない時期もありました・・
自白するとレアの行き過ぎでお腹を壊したことも一度だけありました。(勿論自分以外には提供はしてません。)
命に関わるのに今考えるととても危険な事をしていました。

IMG_9316.jpg

そんな中、一度低温調理の理解をしっかりとする必要性に駆られました。
本来、安全性の為に完全理解してから低温調理を始めるのが望ましいでしょう。
実態は低温調理器がバンバン販売されている中で完全に理解してから実践してる人は少ないと思います。
自分の理解を深めるための辿った道を記しておこうと思います。

しっかりと厚生労働省が定めた加熱殺菌基準を守りましょう。

ここから始まりと言う事です・・汗



目的


低温調理器が一般的に入手できるようになった時代。
それに伴い良く理解せずに低温調理を行い危険性も高まります。
ここでは厚生労働省の定める基準。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049964.html
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000365043.pdf
厚生労働省HPより


日本には厚生労働省が定めた加熱殺菌基準があります。
中心部を63℃30分。75℃1分。
または同等な加熱条件を満たす事。

をについてのエビデンスを得るために解説していきます。



63℃30分と同等な加熱条件??


問題はここです。
63℃30分。または75℃1分。または同等な加熱条件を満たす事。
それには絶対に従なければなりません。

無題
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000365043.pdfより


「75℃、1 分」と同等な加熱殺菌の条件として、「70℃、3 分」、「69℃、4 分」、
「68℃、5 分」、「67℃、8 分」、「66℃、11 分」、「65℃、15 分」が妥当と考えら
れます。
と言ってますがこれは別に適当な数字を言ってる訳ではないのですね。


中心部63℃30分及び75℃1分の63℃30分と同等の加熱時間表 Z値別【表①】


無題
これを表①とします。

これは何?
これは自分が作成した肉の中心部の加熱一覧表です。
???
と思うかもしれませんが、表を見ながら後から考えた方が理解が早い。
この表からZ=8.0の時63℃30分は75℃1分と同等である事が分かります。

注:これは中心部の加熱一覧表です!(中心温度)

Z値?って何?

どうやって算出するの?

ああうう~(T_T)
専門用語の一気に聞いたことない言葉が出てきましたね?
自分もチンプンカンプンでした。
なので順を追って簡単に説明します。

まず、この計算をするにはD値とZ値が必要になります。

初めに言っておきますが自分よりも遥かに詳しい方は既に存在します。
https://nick-theory.com/
詳しく知りたい方は見てみると良いでしょう。

この先は自分の解釈で分かりやすく説明していつもりです。

自分の辿った道。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


加熱殺菌理論を利用した計算方法


この計算方法は厚生労働省のHPを見てもありませんでした。
その公式は意外にも滋賀県にありました。

(2) 微生物制御と温度管理について(シリーズ 3)
~加熱殺菌理論について~

「摂氏○度で△分間加熱殺菌するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法」と規定され
る加熱殺菌条件が食品衛生法等にありますが、実用上、「これと同等の殺菌効果」である加熱殺菌
条件について検討することがあります。
この時、加熱殺菌理論を利用したD値、Z値、F値といった用語がよく使用されます。
今回、その値についてとりあげてみたいと思います。
まず、D値ですが、D値はある加熱温度において生菌数を10分の1にする時間です。
たとえば、D値が3分間であったすると生菌数をそれぞれ、1/10、1/100 にするのに必要な加熱時間
は下記の表のとおりとなります。
─────────────────────────────────────────────
必要な殺菌 必要な加熱時間 計算式
─────────────────────────────────────────────
生菌数を 1/10 3分間(D値) 1/10=(1/10)×1 3分間
生菌数を 1/100 6分間(D値の2倍) 1/100=(1/10)×(1/10) 3分間+3分間
─────────────────────────────────────────────
また、初期の生菌数が 100g あたりそれぞれ、10万個、1億個であった場合、十分な殺菌(生菌数
が 100gあたり1個以下)に要する時間は下記の表のとおりとなります。
─────────────────────────────────────────────
初期の生菌数 必要な加熱時間 計算式
─────────────────────────────────────────────
100,000/100g 15分間(D値の5倍) 1/100,000=(1/10)の5乗 3分間×5
100,000,000/100g 24分間(D値の8倍) 1/100,000,000=(1/10)の8乗 3分間×8
─────────────────────────────────────────────
初期の生菌数が多ければ殺菌のために要する加熱時間が長くなり、もし、予想以上に汚染があっ
た場合は、加熱殺菌が不十分となることもあるので、原材料の汚染防止対策が重要です。


Z値は加熱時間D値を10分の1にするために必要な温度です。多くの微生物では加熱温度の上
昇に伴い対数的な死滅あるいはそれに近い死滅の様相を示すため、Z値は菌種毎に一定になります。
通常、一般細菌でZ=5~8℃、耐熱性の芽胞細菌でZ=7~11℃です。
Z値がわかれば、別の加熱温度での加熱時間を算出することが出来ます。

滋賀県食品安全監視センター通信
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4004549.pdfより



D値やZ値とは?抜粋


ハイ。
D値って何?ってなりますね?
D値ですが、D値はある加熱温度において生菌数を10分の1にする時間です。
とあります。

・要は加熱時間の事を言ってます。


Z値とは?
やっと出てきましたZ値。
Z値は加熱時間D値を10分の1にするために必要な温度です。多くの微生物では加熱温度の上
昇に伴い対数的な死滅あるいはそれに近い死滅の様相を示すため、Z値は菌種毎に一定になります。
通常、一般細菌でZ=5~8℃、耐熱性の芽胞細菌でZ=7~11℃です。
Z値がわかれば、別の加熱温度での加熱時間を算出することが出来ます。

・要は細菌を死滅させる温度を言ってます。
注:今回、F値は省きます。文献がネット上では見つからない。
また別の機会でF値を調べる事があるかも知れません。



では実際に計算してみましょう!


上記の結果、公式計算はこうなります。
D=Dr10^(Tr-T)/Z
何や?絵文字か?


とにかくやってみる。
例えば63℃30分→61℃にしたい
D=30×10^(63-61)/8
D=30×10^2/8
D=30×1.778279
D=53.34838分

べき乗を使うので関数電卓がないと計算できないのです。
Windowsの電卓で大丈夫な筈です。
まずは関数電卓。
そしてExcelは表計算が使えます。
公式計算図
だったらExcelで自動計算にすれば良い。
さらには表も作成してしまえば良いのです。

そこで完成したのが
表①
と言う訳です。


さらに実際の所、どの菌種が?どのZ値なのか?
一般の人は頭に入ってません。。どの食材はどの細菌?分かりません。

さらに抜粋すると
初期の生菌数が多ければ殺菌のために要する加熱時間が長くなり、もし、予想以上に汚染があっ
た場合は、加熱殺菌が不十分となることもあるの
で、原材料の汚染防止対策が重要です。
↑不特定要因ですね。
どう流通してきたのか?例え食品加工会社に基準があったとしても現場の実態は?
自分には分かりません・・心配な筈です。


だったらZ値が一番悪い状態で計算すれば良いのでは?
厚生労働省のZ=8ではなくZ=5で計算すれば良い!
考え方としては間違ってはいません。

ですがそうとも言えない部分がある。
それは63℃30分の同等条件をZ値別グラフにしてみると見えてきます。

63℃30分の同等条件のZ値別グラフ【グラフ①②】


Z値別グラフ①
これを63℃30分の同等条件のZ値別グラフ①とします。
Z値の数値が少ない方が加熱時間がかかるのが分かります。
なのでZ=5で計算すれば問題ないように見える。


今度は63℃30分の同等条件のZ値別グラフ②
Z値別グラフ②
こちらは63℃30分付近をクローズアップしたグラフです。
63℃30分を境にグラフが逆転してるのが分かります。
※要はZ値が高い方が高温時に時間がかかるのです。
理由はZ値7~11は耐熱性の芽胞細菌で熱に強くしぶとい!
一般細菌は熱には弱いが体力がある?と言う認識だろうか?
短距離タイプと長距離タイプみたいな話だけど関係ないので無視して・・(ノ_<)

・抜粋するとZ値は菌種毎に一定になります。
通常、一般細菌でZ=5~8℃、耐熱性の芽胞細菌でZ=7~11℃です。
Z=5では耐熱性の細菌はカバー出来ないが時間的には温度が高いので無視しても良いぐらいの僅かな時間です。
普通にクリアしてしまう時間でしょう。

ではより安全圏とするには?
Z-5とZ-11の両方の時間が長い方を取れば良いのでは?
それがグラフのZ=5~11となるデータがある理由です。

Z値最大を想定した63℃30分の同等条件の中心加熱一覧【表②】


プラスアルファ
表②とします。
これでとりあえず中心部を表①のZ-8の時間を加熱すれば良いと言うことになりますが
+αでさらに安全圏よりの表②になってます。【Z値5~11】

注:何度でも言います。中心部温度です!
つまり塊肉の中心部に温度計を指さないと無理なのです!


あとがき


やっと書き終えました。

いや実は終わってないです・・・

何気にここから始まり?
ここまでで気なっていることありますよね?
肉は形状や厚さでも時間は変化しますよね?
中心部への到達時間は予測出来ないのか?
熱伝導率から算出できないのか?
誰もがそう思うのではないでしょうか?



でも出来なくても分かる方法が一つだけある!!

それはひたすら何回も繰り返しデータを取る事です!


自分はそれをやるつもりだ。


●参考文献
・厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049964.html
・滋賀県 食品安全監視センター通信
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4004549.pdf
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Admin: KEY
当方、全く料理経験無しでいきなり自作ラーメンブログを始めまてしまいました。
待つのは成功か?挫折か?

継続は力なり。
気が付けば自作ラーメン歴も長くなり、今では何故か?
毎回実験になってます(笑)
63℃30分根拠への実験記事